病院めぐり
西神戸医療センター泌尿器科
武縄 淳
pp.613
発行日 2005年7月20日
Published Date 2005/7/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100367
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当院は結核医療を担ってきた神戸市立玉津病院を前身とし,神戸西地域の中核病院として住民の高度医療ニーズに応える急性期治療を行うことを目的として1994年8月に開設されました。神戸市と神戸市医師会の出資により設立された病院で,神戸市の市民病院群の1つに位置づけられており,地域医療機関との連携を進め連携医療機関からの直接外来予約も可能な体制をとっています。東に六甲山,南に明石海峡大橋と淡路島を望む西神ニュータウンのほぼ中央に位置しており,一般の方が神戸と聞いて思い浮かべる三宮,元町,異人館のある北野などの神戸市街地からは地下鉄山手線で約30分の距離です。
当院開設の約半年後,1995年1月17日に阪神淡路大震災が発生しました。建物や機材の損傷や,いわゆるライフラインの寸断で神戸市街地の医療体制はしばらくの間ほとんど機能しなかったと聞いております。地理的な位置関係と地盤が強固であったためか,西神ニュータウンでは建造物の被害は軽度でした。当院では地震当日こそ断水で苦労したそうですが,翌日には平常の体制で診療に当たっています。ただし,震災後の神戸市街地の病院からの患者紹介や,その後の地下鉄山手線沿線の宅地開発は,予想を大幅に上回る患者数の増加をもたらしました。一般入院ベッド数400床(ほかに結核病床が100床)に対し,病院全体の1日の外来患者数は1,800~2,000人となり,慢性的なベッド不足とスペース不足といった歪みをもたらしています。
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