異論・反論 泌尿器科術前・術後管理
3.手術後の血液検査は必要か
島田 誠
1
,
椎木 一彦
1
Makoto Shimada
1
,
Kazuhiko Shiiki
1
1昭和大学横浜市北部病院泌尿器科
pp.292-294
発行日 2005年4月20日
Published Date 2005/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100313
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1 はじめに
総論的にいうと,手術後に行われる血液検査の意義は次のように考えられる。(1)出血の評価,(2)手術対象臓器の(残存)機能評価,(3)他臓器損傷の有無・程度の確認,(4)体液(循環血液)の状態把握,(5)手術により特殊な負荷がかかる場合,その侵襲度の評価,(6)合併疾患の状態把握,(7)動脈血ガス分析などである。これらは手術の種類や侵襲の度合いにより重視する点が異なるが,手術後という特殊な病態のもとでは経過,すなわち経時的変化を捉えることが必要になる。その際,採血を行う間隔はさまざまな要因に左右される。
泌尿器科的にみて術後採血に関連して考えると,手術にもいろいろなものがあって多種多様である。そのなかで特殊なもの,たとえば副甲状腺や副腎腫瘍などの内分泌に関連した手術,透析患者の手術~腎移植,小児の手術,腫瘍マーカーの上昇している精巣腫瘍手術などの体質特異的または疾患特異的な術後採血~管理が必要であるものは別にして,ここでは一般的な泌尿器科手術に関して述べることにする。
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