異論・反論 泌尿器科術前・術後管理
1.手術前の呼吸機能検査は必要か
齊藤 亮一
1
,
上田 朋宏
1
Ryoichi Saito
1
,
Tomohiro Ueda
1
1公立甲賀病院泌尿器科
pp.277-280
発行日 2005年4月20日
Published Date 2005/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413100307
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1 はじめに
従来から全身麻酔下手術を行う場合,術前の呼吸機能検査は必須であるとされてきた。術後の抜管困難や無気肺,肺炎などの術後肺合併症(postoperative pulmonary complications:以下,POPC)の発生を予測可能なのではないかと漠然と考えられていた。しかし近年,EBMの考え方のもと,POPCの危険因子を解析し,それに基づいて必要かつ十分な肺機能評価を行えばよいと考えられるようになった。さらに高齢化社会に伴い低肺機能患者の手術が増加しているため,POPCのリスク分析がより重要になってきている。本稿では,手術前の呼吸機能検査の必要性について高リスク患者の同定法の1項目という観点から考察する。
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