Japanese
English
症例報告
ペプロマイシン注射によるscratch dermatitis型薬疹—皮疹部の生検でflame figuresを認め,patch testで陽性反応が認められた1例
A case of scratch dermatitis-form drug eruption induced by peplomycin injections : Histological association with flame figures and demonstration of positive patch test reaction with 0.1% peplomycin
田中 美佐子
1
,
田上 八朗
1
Misako TANAKA
1
,
Hachiro TAGAMI
1
1東北大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Tohoku University School of Medicine
キーワード:
ペプロマイシン
,
薬疹
,
scratch dermatitis
,
flame figures
,
好酸球
Keyword:
ペプロマイシン
,
薬疹
,
scratch dermatitis
,
flame figures
,
好酸球
pp.510-512
発行日 1998年6月1日
Published Date 1998/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902576
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63歳,女性.口腔内の扁平上皮癌のため口腔外科でペプロマイシンを10mg(5mg/日,2日間)の筋注を受けたところ,後頸部に水疱が出現した.さらに5mgの筋注をされたところ,37.8℃の発熱と,全身に痒みを伴う皮疹が拡大してきた.その時点で薬疹が疑われ,すべての投薬が中止された.4日後に当科を紹介され受診した.後頸部と体幹の一部に水疱があり,体幹の大部分に掻破痕に一致した紅斑,いわゆるscratchdermatitisを認めた.皮疹部の生検では真皮に多数の好酸球とその脱顆粒像とflame flguresを認めた.ペプロマイシンを含む薬剤類のパッチテストを行ったところ0.1%,1%のぺプロマイシンに対してのみ陽性反応を認めた.皮疹はステロイド外用では消退せず,プレドニゾロン1日15mg,1週間の投与で初めて軽快した.
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