Japanese
English
症例報告
Dysplastic nevusの1例
A case of dysplastic nevus
石倉 多美子
1,2
Tamiko ISHIKURA
1,2
1公立松任石川中央病院皮膚科
2石倉医院
1Department of Dermatology, Matto, Ishikawa Central Hospital
キーワード:
dysplastic nevus
,
sporadic dysplastic nevus
Keyword:
dysplastic nevus
,
sporadic dysplastic nevus
pp.545-547
発行日 1997年6月1日
Published Date 1997/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412902245
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38歳の女性の腹部にみられた2個のdysplastic nevus(DN)について報告した.家系内にDNや悪性黒色腫を思わせる腫瘍のあるものはないという.皮疹の大きさは右側腹部のものが6×4mm,右下腹部のものが4×3mm,ともに類円形の褐色斑で,辺縁はやや不整,表面には皮丘,皮溝を少し拡大したような凹凸があり,また周囲に黄紅色輪がみられた.これら2個の皮疹の組織像はともにDNの典型像を示した.これら2個の皮疹は,Kraemerら1)の病型分類によると,DNのtype Aに属するものと思われた.なお,外陰部,躯幹,四肢などにも小色素斑が数個みられた.それらのうち,外陰部の色素斑の組織像は単純黒子(lentigo simplex)のそれであったが,一部に表皮突起の融合所見(bridging)がみられた.このことから,将来,これらの色素斑がDNになる可能性,また他の部位に新たにDNを生じる可能性も憶測された.
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