Japanese
English
症例報告
Ehlers-Danlos症候群IV型の1例
A case of Ehlers-Danlos syndrome type IV
馬場 直子
1
,
佐々木 哲雄
2
,
中嶋 弘
2
,
村澤 章子
3
,
中谷 行雄
3
Naoko BABA
1
,
Tetsuo SASAKI
2
,
Hiroshi NAKAJIMA
2
,
Akiko MURASAWA
3
,
Yukio NAKATANI
3
1神奈川県立こども医療センター皮膚科
2横浜市立大学医学部皮膚科学教室
3横浜市立大学医学部附属病院病理部
1Department of Dermatology, Kanagawa Children's Medical Center
2Department of Dermatology, Yokohama City University School of Medicine
3Division of Anatomical Pathology, The Hospital of Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Ehlers-Danlos症候群IV型
,
I型—III型コラーゲン
Keyword:
Ehlers-Danlos症候群IV型
,
I型—III型コラーゲン
pp.905-908
発行日 1995年10月1日
Published Date 1995/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901673
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臨床的にEhlers-Danlos症候群IV型と考えられた17歳女子の症例を報告する.血管が透見される薄い皮膚,四肢に多発するケロイド様瘢痕,脊椎側弯,鳩胸,下顎骨・指趾末節骨の変形,歯の異常,難聴,近視,乱視,心血管壁や弁の異常が認められ,ほぼ全身に及ぶ結合織の異常が疑われた.皮膚生検組織の電顕的観察では,毛細血管基底層の多層化が認められたが,コラーゲン細線維の異常は認められなかった.I,III,IV,VII型コラーゲンおよびフィブロネクチンの局在を免疫組織学的に検索し,同年代同部位の正常皮膚と比較したが,明らかな形態的異常は見いだせなかった.患者皮膚由来の培養線維芽細胞が産生するI型およびIII型コラーゲンに,明らかな定性的・定量的異常は認められなかった.Ehlers-Danlos症候群IV型の臨床像の多様性は,病因論的にも多様性を示し,種々のCOL3A1 gene mutationが報告されているが,本症例でも遺伝子レベルでの解析が今後の課題と思われる.
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