Japanese
English
症例報告
下腹部に生じたsyringocystadenoma papilliferum
Syringocystadenoma papilliferum on the lower abdomen
川上 民裕
1
,
斉藤 隆三
1
Tamihiro KAWAKAMI
1
,
Ryuzo SAITO
1
1東邦大学医学部第二皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Toho University School of Medicine
キーワード:
syringocystadenoma papilliferum
,
組織発生
,
CEA
,
S−100
Keyword:
syringocystadenoma papilliferum
,
組織発生
,
CEA
,
S−100
pp.497-500
発行日 1994年5月1日
Published Date 1994/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412901229
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79歳,男の下腹部中央に生じた単発性のsyringocystadenoma papilliferumの1例を報告した.2年前に発症し,脂腺経斑などの先行する病変はなかった.臨床的には,広基有茎状,扁平隆起する14×11×3mmの表面細顆粒状を呈する紅色腫瘤で,圧排すると漿液性の浸出液がでる.組織学的には,皮表より上方に向かって増生する腫瘍で,楕円形の核をもち円柱状で比較的大きな内腔側細胞と,円形の核をもち立方形で胞体の少ない真皮側細胞より構成される.円柱形細胞は1から数層,立方形細胞は1層で,絨毛状に増殖している.自験例を含む本邦報告191例を集計し,統計学的考察を加え報告するとともに組織発生についても言及した.
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