連載 元気な皮膚科医であるために・3
わかりやすい皮膚科学の必要性
今山 修平
1
1九州大学医学部皮膚科教室
pp.573
発行日 1993年6月1日
Published Date 1993/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900934
- 有料閲覧
- 文献概要
他の動物からヒトを区別する特徴であると思われていた様々の生物学的常識が分子生物学の進歩によって次々と覆されています.たとえば,ヒトのある遺伝子(あるいは分子)は豚と60%のホモロジー(相同性)があるとか,時には細菌のものと比較されてもそう違ってはいない有様です.そうなるとますます,ひとり人類だけが孤高を保つ理由もなくなってきました.
私ごときが言うまでもありませんが,気候の異常など,かつては局地的なものと考えられていたことの多くが地球規模の変化であることが科学の進歩によって証明されています.それに伴い生態系が変化しつつあることを目の当たりに目撃している現在,ヒトも他のすべての生き物と地球を分け合っているのだという認識が,放送と印刷を通じて広く理解されるようになったことは,やはり科学の勝利と言わなければならないと思います.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.