Japanese
English
症例報告
Balloon Cell Nevusの1例
A Case of Balloon Cell Nevus
飯塚 万利子
1
,
中山 佳代子
1
,
平井 昭男
1
,
北村 啓次郎
1
Mariko IIZUKA
1
,
Kayoko NAKAYAMA
1
,
Akio HIRAI
1
,
Keijirou KITAMURA
1
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Saitama Medical Center
キーワード:
balloon cell nevus
,
S−100蛋白α鎖
Keyword:
balloon cell nevus
,
S−100蛋白α鎖
pp.661-664
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900681
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
22歳,女性.初診の2カ月前より左鼻翼に自覚症状を欠く紅色丘疹が出現し,徐々に拡大.切除時径4mm,高さ2mmの弾性硬,ドーム状に隆起した類円形赤褐色調丘疹を認め,表面には痂皮を付着し,基部に毛細血管拡張をみた.組織学的には,突出し表皮襟にはさまれた真皮内腫瘍であり,胞体の明るい大小不同,類円形の空胞細胞から構成され,その胞体はS−100蛋白染色でα鎖が陽性であったことからbal—loon cell nevusと診断した.本邦報告例では増殖細胞の大部分がballoon cellよりなるとするものが多かったが,これが特徴であると断定はできなかった.自験例ではS—100蛋白染色でα鎖のみが陽性であった.Balloon cell nevusにおけるα鎖とβ鎖の分布の違いについては報告例がなく,その意味するところは未だ不明であるが,bal—loon cellの性格を示唆する所見として,興味深いものと考えた.
Copyright © 1992, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.