Japanese
English
症例報告
サリドン®による多形滲出性紅斑様固定薬疹の1例
Erythema Multiforme-like Fixed Drug Eruption due to Saridon®
石田 としこ
1
,
玉置 昭治
1
Toshiko ISHIDA
1
,
Akiharu TAMAKI
1
1淀川キリスト教病院皮膚科
1Yodogawa Christian Hospital
キーワード:
多形滲出性紅斑
,
固定薬疹
,
サリドン®
Keyword:
多形滲出性紅斑
,
固定薬疹
,
サリドン®
pp.861-864
発行日 1991年10月1日
Published Date 1991/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412900460
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1989年9月,10月の2回にわたり,同一部位にほとんど色素沈着を残さず消褪する多形滲出性紅斑様の皮疹,粘膜疹を生じた29歳女性の固定薬疹の症例を報告した.サリドン®1/10錠の内服試験は陽性で,すべての皮疹,粘膜疹の再現をみた.サリドン®による固定薬疹と確定した.主剤3剤の成分別内服試験は陰性であった.固定薬疹と多形滲出性紅斑は,その臨床像において異なるが,急性期の組織学的所見が同様の像をとることより,同一スペクトラム上の疾患であると考えられている.自験例は,臨床的には多形滲出性紅斑様であった固定薬疹であり,上記の説を支持するものと考えられる.自験例で,成分別内服試験が陰性の理由についても若干の文献的考察を加えた.
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