Japanese
English
症例報告
痒疹と腋窩腫瘤を伴った結節硬化型古典的Hodgkinリンパ腫の1例
A case of nodular sclerosis Hodgkin lymphoma with prurigo and an axillary tumor
山田 真理子
1
,
下村 尚子
1
,
岩永 隆太
2
,
山本 薫
3
,
下村 裕
1
Mariko YAMADA
1
,
Naoko SHIMOMURA
1
,
Ryuta IWANAGA
2
,
Kaoru YAMAMOTO
3
,
Yutaka SHIMOMURA
1
1山口大学大学院医学系研究科皮膚科学講座
2山口大学大学院医学系研究科整形外科学講座
3山口大学大学院医学系研究科血液内科学講座
1Department of Dermatology, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, Ube, Japan
2Department of Orthopedic Surgery, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, Ube, Japan
3Department of Hematology, Yamaguchi University Graduate School of Medicine, Ube, Japan
キーワード:
Hodgkinリンパ腫
,
瘙痒
,
腋窩腫瘤
,
痒疹
Keyword:
Hodgkinリンパ腫
,
瘙痒
,
腋窩腫瘤
,
痒疹
pp.1017-1023
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207456
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要約 70歳,男性.当科初診8か月前より全身の瘙痒を自覚し,同時期より右腋窩に皮下腫瘤が出現した.近医皮膚科でステロイド外用薬および抗ヒスタミン薬等を処方されたが瘙痒は改善しなかった.右腋窩皮下腫瘤に関しては当院整形外科で生検を施行され,リンパ球および好酸球の集簇と線維化が認められた.リンパ腫の診断には至らず,angiolymphoid hyperplasia with eosinophiliaを疑われ当科に紹介された.当科初診時,頭部,腰部,上肢,大腿に紅褐色の丘疹および結節が多発していた.右腋窩には径9 cmと5 cmの皮下腫瘤が隣接し,弾性硬,可動性不良であった.臨床所見からリンパ腫が強く疑われ,再度整形外科で右腋窩の生検を施行された.2回目の生検でReed-Sternberg細胞が認められ,Hodgkinリンパ腫と診断された.痒疹をきたす原因疾患は多数存在するが,自験例のように悪性腫瘍にも随伴する症状であることは常に念頭に置くべきと考えた.
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