Japanese
English
症例報告
深部静脈血栓症を伴う血管型Behçet病の1例
A case of vasculo-Behçet presenting with deep venous thrombosis
安田 澪奈
1,2
,
岩月 啓氏
2
,
鈴木 究
2
,
田中 義人
1
,
杉浦 一充
1
Rena YASUDA
1,2
,
Keiji IWATSUKI
2
,
Ataru SUZUKI
2
,
Yoshihito TANAKA
1
,
Kazumitsu SUGIURA
1
1藤田医科大学医学部皮膚科学
2藤田医科大学岡崎医療センター皮膚科
1Department of Dermatology, Fujita Health University School of Medicine, Toyoake, Japan
2Department of Dermatology, Fujita Health University Hospital Okazaki Medical Center, Okazaki, Japan
キーワード:
Behçet病
,
血管型Behçet病
,
深部静脈血栓症
Keyword:
Behçet病
,
血管型Behçet病
,
深部静脈血栓症
pp.1049-1053
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207156
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要約 41歳,男性.両下腿腫脹と圧痛,熱感を伴う紅斑を認め,蜂窩織炎を疑われ紹介受診した.右下腿に結節性紅斑を認め,皮膚生検では脂肪織炎と血栓性静脈炎の所見,画像検査では左下腿の深部静脈血栓症(deep venous thrombosis : DVT)を認めた.DVTに対して抗凝固療法を開始後に,再発性アフタ性口内炎と関節炎,針反応陽性,HLA-B51陽性などが判明し,最終的に血管型Behçet病と診断した.血管型Behçet病に対する確立された治療法はないが,一般的には免疫抑制療法での治療が報告されており,抗凝固療法に関しては議論が分かれる.しかし自験例では血管型Behçet病の確定診断の前にDVTに対して抗凝固療法を既に開始し治療効果が得られていた.そのため,免疫抑制療法の併用は待機とし,コルヒチン併用で治療を継続し現在も寛解を維持している.今後再燃を認めた場合には免疫抑制療法の併用を検討している.血管型Behçet病に対して抗凝固療法が有効な症例も存在するため,さらなる症例の蓄積が望まれる.
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