連載 Clinical Exercise・195
Q考えられる疾患は何か?
根岸 麻有子
1
1千葉市立青葉病院皮膚科
pp.939-940
発行日 2023年11月1日
Published Date 2023/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412207133
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■症 例■
患 者:70歳,女性
主 訴:右大腿の褐色結節
既往歴・家族歴:特記すべきことなし.
現病歴:5年ほど前より,右大腿に自覚症状を伴わない褐色結節が生じ,徐々に増大したため当科を受診した.
現 症:右大腿内側に,18×12 mm大のドーム状に隆起する弾性硬の褐色結節を認め,その周囲28×20 mm大の範囲の皮下に腫瘤を触知した.圧痛はなく,下床との可動性は良好であった(図1).
ダーモスコピー所見:Central white patchないしはnetworkと,腫瘍辺縁にdelicate pigment networkを認めた.それに加え,中央部には白もやがかった赤〜青紫色の無構造領域がみられた(図2).
超音波所見:境界明瞭な囊腫様構造を認めた.内部は比較的均一な低エコー領域であり,後方エコーは増強していた.カラードプラ法で,内部に明らかな血流は認めなかった(図3).
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