Japanese
English
増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
5.皮膚科医のための臨床トピックス
薬剤抵抗性アタマジラミの現状と新薬
Current status of the drug-resistant head lice and recently developed treatment option
山口 さやか
1
Sayaka YAMAGUCHI
1
1琉球大学病院皮膚科
1Department of Dermatology, University of the Ryukyus Hospital, Okinawa, Japan
キーワード:
難治性アタマジラミ
,
薬剤抵抗性アタマジミ
,
フェノトリン抵抗性
,
ピレスロイド抵抗性
,
ジメチコン製剤
Keyword:
難治性アタマジラミ
,
薬剤抵抗性アタマジミ
,
フェノトリン抵抗性
,
ピレスロイド抵抗性
,
ジメチコン製剤
pp.161-164
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206994
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
summary
アタマジラミは主に小児の間で集団感染する寄生虫疾患である.これまで日本でのアタマジラミ治療薬は,ピレスロイド系薬剤のみであったが,世界各地でピレスロイド抵抗性アタマジラミが蔓延し,日本,特に沖縄での抵抗性率は96%と蔓延している.この問題を受け,ピレスロイド抵抗性アタマジラミにも有効な薬剤の導入に向けて,沖縄のアタマジラミ症を対象に新規薬剤の臨床試験を行った.試験薬はシリコンの一種であるジメチコン製剤で,海外では市販薬としてすでに広く使用されている.有効症例23例の全例で,試験薬使用後に虫体は検出されず,採取した卵はほとんど孵化しなかった.試験薬使用4週間後の電話調査では,89.2%の症例が治癒していた.試験中,有害事象はみられなかった.ジメチコン製剤はアタマジラミ虫体だけでなく卵にも有効で,かつ安全であった.現在,シラミ治療薬の新規薬剤として承認され発売されている.
Copyright © 2023, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.