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増刊号特集 最近のトピックス2023 Clinical Dermatology 2023
2.皮膚疾患の病態
皮膚表皮角化時に起こる顆粒層細胞の機能的細胞死:コルネオトーシス
Corneoptosis : A functional unique keratinocyte death occurred at the initial stage of cornification
松井 毅
1,2,3
,
天谷 雅行
2,3
Takeshi MASTUI
1,2,3
,
Masayuki AMAGAI
2,3
1東京工科大学応用生物学部皮膚進化細胞生物学研究室
2理化学研究所生命医科学研究センター皮膚恒常性研究チーム
3慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Laboratory for Evolutionary Cell Biology of the Skin, School of Bioscience and Biotechnology, Tokyo University of Technology, Tokyo, Japan
2Laboratory for Skin Homeostasis, RIKEN Center for Integrative Medical Sciences, Yokohama, Japan
3Department of Dermatology, Keio University School of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
表皮
,
角化
,
コルネオトーシス
,
ケラチノサイト
,
バリア
Keyword:
表皮
,
角化
,
コルネオトーシス
,
ケラチノサイト
,
バリア
pp.43-48
発行日 2023年4月10日
Published Date 2023/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206957
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summary
皮膚表皮の最外層にある角層は,死細胞である角層細胞が数層から数十層堆積し,外界からの病原体・毒物・機械刺激や乾燥から体を守っている重要なバリアである.この角層は,最上層の生細胞層である顆粒層細胞(SG1)の特有の細胞死により形成される.しかしその細胞死過程は不明な点が多い.われわれは最近,細胞内Ca2+とpHを可視化したライブイメージング法により,マウスSG1細胞の細胞死過程を解析した.その結果,その細胞死過程は,長時間の細胞内Ca2+上昇と直後に起こる急速な酸性化からなることが明らかとなった.一方で,単離したマウスSG1細胞からの解析により,酸性pH条件は,ケラトヒアリン顆粒と核内DNAの分解を促すことが明らかとなった.角層では,特殊な細胞内イオン変化を経て形成された死細胞が機能的な役割を果たしている.この新しい細胞死概念を「コルネオトーシス」と提唱する.
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