Japanese
English
症例報告
幼少期から粘液腫切除を繰り返し遺伝子診断で確定したCarney complexの1例
A case of Carney complex confirmed by gene analysis after repeated resection of myxoma from childhood
山﨑 絵美
1
,
西宮 愛望
1
,
浅野 雅之
1
,
菊地 克子
2
,
保坂 正美
3
,
相場 節也
1
Emi YAMAZAKI
1
,
Ami NISHIMIYA
1
,
Masayuki ASANO
1
,
Katsuko KIKUCHI
2
,
Masami HOSAKA
3
,
Setsuya AIBA
1
1東北大学病院皮膚科
2医療法人社団廣仁会仙台たいはく皮膚科クリニック
3宮城県立がんセンター整形外科
1Department of Dermatology, Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
2Sendai Taihaku Dermatology Clinic, Sendai, Japan
3Department of Orthopaedic Surgery, Miyagi Cancer Center, Natori, Japan
キーワード:
Carney complex
,
褐色斑
,
粘液腫
,
遺伝子変異
Keyword:
Carney complex
,
褐色斑
,
粘液腫
,
遺伝子変異
pp.813-818
発行日 2021年9月1日
Published Date 2021/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412206476
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要約 55歳,女性,生後6か月より皮膚腫瘍切除を繰り返し,粘液腫の診断を受けていた.幼少時より口唇,眼瞼周囲の点状の色素沈着がみられ,心臓粘液腫や軟部組織発生粘液腫を発症した.臨床経過より他科でCarney complexを疑われ,皮膚病変の精査のため当科を紹介受診した.顔面の色素斑より皮膚生検を施行し,病理組織では本症でみられる点状皮膚色素沈着に矛盾しない像であった.44歳時に切除された右腋窩の皮下腫瘍は病理組織像で粘液腫であった.以上より診断基準を満たし,Carney complexと診断した.その後,本人の強い希望があり遺伝子検査を施行し,PRKAR1A遺伝子に欠失変異を認めた.本疾患は心臓粘液腫などの心疾患を合併することが多く,合併の有無が予後に関わる.皮膚症状で本疾患が疑われる場合,全身の精査や他科との連携が重要である.
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