Japanese
English
症例報告
HLA-DR4陽性であった巨細胞性動脈炎の1例
A case of HLA-DR4-positive giant cell arteritis
岡部 杏慈
1
,
東 直行
1
,
齋藤 恒徳
2
,
草間 芳樹
2
,
佐伯 秀久
3
Kyochika OKABE
1
,
Naoyuki HIGASHI
1
,
Tsunenori SAITO
2
,
Yoshiki KUSAMA
2
,
Hidehisa SAEKI
3
1日本医科大学多摩永山病院皮膚科
2日本医科大学多摩永山病院循環器内科
3日本医科大学付属病院皮膚科
1Division of Dermatology, Nippon Medical School Tamanagayama Hospital, Tama, Japan
2Division of Cardiology, Nippon Medical School Tamanagayama Hospital, Tama, Japan
3Division of Dermatology, Nippon Medical School, Tokyo, Japan
キーワード:
巨細胞性動脈炎
,
リウマチ性多発筋痛症
,
HLA-DR4
,
眼虚血性合併症
Keyword:
巨細胞性動脈炎
,
リウマチ性多発筋痛症
,
HLA-DR4
,
眼虚血性合併症
pp.127-131
発行日 2020年2月1日
Published Date 2020/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205946
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要約 75歳,男性.初診の3か月前から両肩・股関節周囲の疼痛があり,歩行困難をきたしリウマチ性多発筋痛症を疑われ当院内科で精査中であった.左側頭動脈の怒張と索状硬結を認めたため当科にて生検を施行した.筋性血管のほぼ全層に多核巨細胞を含む炎症細胞浸潤がみられ,内腔に血栓を認めたため巨細胞性動脈炎の合併と診断した.血清対応型タイピングではHLA-DR4が陽性であった.全身症状として発熱,体重減少があり,貧血がみられた.本邦では稀な巨細胞性動脈炎であるが欧米では頻度が高くHLA-DR4陽性の地域差が関連している.HLA-DR4の保有の有無,入院時のHb値,随伴する全身症状は巨細胞性動脈炎の眼虚血性合併症の予測因子や予後に関連すると報告されており,ステロイドへの治療反応性も関連する可能性があるため精査は重要である.
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