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書評 —著:斎田 俊明—皮膚病理組織診断学入門—改訂第3版
山本 明美
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1旭川医科大学・皮膚科学
pp.463
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205445
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皮膚病理組織学についての教科書はこれまでにもいくつか出版されていますが,他書にない本書の一番大きな特徴は,診断名が本文の中でアルファベット順に並んでいることです.他書では疾患は炎症性疾患,代謝異常症,腫瘍などのように疾患群ごとにまとめて記載されています.したがって,ある疾患の病理組織像について調べようと思ったら,まずは巻末にある索引を見てその疾患が載っているページを調べ,そして本文のそのページを開くという作業をしなくてはなりませんでした.しかも巻末の索引には通常複数のページの番号が記載されていることが多く,一体どのページに行けばその疾患の特徴が最も詳しく記載されているのかは,ページを開いてみるまでわからないということがしばしばありました.その点で本書は最初から疾患名がアルファベット順に並んでいるので,ワンステップで直接知りたい病気にたどり着くことができるのです.これは忙しい臨床家にとって非常にありがたいことです.
従来の疾患群ごとに記載する教科書では似たような疾患が前後に記載されているので,鑑別疾患を考えるときにそのチャプターの中を探すことで最終診断にたどり着くことができるという利点がありました.しかしこの点については,本書では各々の疾患の解説の中に組織学的鑑別診断が参照ページとともに記載されているので心配はありません.加えて巻末にはもちろん索引も付いています.
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