Japanese
English
症例報告
2つの結節から成るpigmented eccrine poromaの1例
A case of pigmented eccrine poroma composed of two nodules
川島 裕平
1
,
大方 詩子
1
,
宮川 俊一
1
Yuhei KAWASHIMA
1
,
Utako OKATA-KARIGANE
1
,
Shunichi MIYAKAWA
1
1川崎市立川崎病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kawasaki Municipal Hospital, Kawasaki, Japan
キーワード:
pigmented eccrine poroma
,
偽角質囊腫
,
ダーモスコピー
,
poroid cell neoplasms
Keyword:
pigmented eccrine poroma
,
偽角質囊腫
,
ダーモスコピー
,
poroid cell neoplasms
pp.244-248
発行日 2018年3月1日
Published Date 2018/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412205338
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要約 82歳,女性.10年前より自覚した腰部の皮疹が徐々に増大し,家族に指摘されて受診した.左腰部に20×14mm大で広基性の黒色結節と,15×14mm大のドーム状に隆起した黒褐色結節が隣接していた.両結節は同一の紅色局面で取り囲まれた.ダーモスコピー所見では,どちらの結節も青白色網目状構造(whitish blue network)が主体で,一部血管拡張を認めた.結節周囲の紅色局面は淡紅白色網目状構造(whitish pink network)を呈した.病理組織像では,両結節ともporoid cellが表皮から連続して真皮内に索状に増生し,胞巣を形成していた.腫瘍胞巣内にはメラニン沈着を認め,cuticular cellが裏打ちする管腔構造もみられた.一方の結節では偽角質囊腫がみられ脂漏性角化症が鑑別になったが,ダーモスコピー所見,病理組織像から両結節ともにpigmented eccrine poromaと診断した.Pigmented eccrine poromaの診断には,ダーモスコピー所見,病理組織所見を総合的に検討することが重要である.
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