Japanese
English
症例報告
下腿潰瘍を形成したBudd-Chiari症候群の1例
A case of Budd-Chiari syndrome with leg ulcer formation
吉賀 哲郎
1
,
鼻岡 佳子
2
,
岡原 佳代
3
,
春田 直樹
4
Tetsuro YOSHIGA
1
,
Keiko HANAOKA
2
,
Kayo OKABARA
3
,
Naoki HARUTA
4
1独立行政法人労働者健康福祉機構中国労災病院皮膚科
2広島大学大学院医歯薬保健学研究院皮膚科学
3岡原皮ふ科クリニック
4医療法人社団仁鷹会たかの橋中央病院血管外科
1Division of Dermatology, Japan Labour Health and Welfare Organization Chugoku Rosai Hospital, Kure, Japan
2Department of Dermatology, Graduate School of Biomedical & Health Sciences, Hiroshima University, Hiroshima, Japan
3Okabara Dermatological Clinic, Hiroshima, Japan
4Division of Vascular Surgery, Jinyoukai Medical Corporation Takanobashi Central Hospital, Hiroshima, japan
キーワード:
Budd-Chiari症候群
,
下腿潰瘍
,
うっ滞性下腿潰瘍
,
不全穿通枝
,
内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術
Keyword:
Budd-Chiari症候群
,
下腿潰瘍
,
うっ滞性下腿潰瘍
,
不全穿通枝
,
内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術
pp.1039-1043
発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204618
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要約 49歳,男性.30年前にBehçet病と診断され,ステロイド内服療法を行っていた.25年前より食道静脈瘤と腹壁静脈の怒張を認めるようになり,Budd-Chiari症候群と診断されていた.6年前より両下腿に難治性の皮膚潰瘍を認めており,当科を受診した.血液検査では肝・胆道系酵素が上昇し,CT画像検査で下大静脈の石灰化閉塞,超音波検査にて下肢静脈瘤を認め,表在皮下静脈の拡張がみられた.Budd-Chiari症候群に伴う下肢の血流障害による難治性皮膚潰瘍と診断した.下大静脈再建術を検討したが,石灰化閉塞の距離が長く,側副血行路が過剰に発達しており困難であった.そのため,二次性静脈瘤に対し内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術を行い,術後合併症を起こすことなく難治性皮膚潰瘍が治癒した.根治術が困難であり,不全穿通枝を伴う症例では,内視鏡下筋膜下不全穿通枝切離術は有力な治療法の1つであると考えた.
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