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文献紹介 皮膚常在細菌と樹状細胞の相互作用は防御皮膚免疫独特の特徴を規定する
福田 桂太郎
1
1慶應義塾大学
pp.508
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204483
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近年,腸内の常在細菌が免疫系に重要な役割を果たすことが明らかにされてきている.腸管同様,皮膚には表面に多様な常在細菌が共生することから,免疫系に関わる皮膚常在細菌が存在すると著者らは考えた.そこで,皮膚免疫応答を引き起こす菌を同定すべく,マウスの皮膚表面にマウスやヒトの皮膚常在細菌を外用し,免疫応答が生じるか調べた.その結果,調べた8種類中6種類の皮膚常在細菌が,皮膚のIL17AまたはIFNγ産生T細胞を外用しなかったときと比べ,有意に増加させることがわかった.
6種類の皮膚常在細菌の中で,唯一,表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)は皮膚のIL-17A産生CD4陽性T細胞ではなく,IL-17A産生CD8陽性T細胞(Tc17細胞)を有意に増加させた.著者らは,Tc17細胞が関係するS. epidermidis特有の免疫応答に興味を持ち,そのメカニズム解析を進めた.
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