Japanese
English
原著
Subsepsis Allergicaの1例—特にStill病との関係について
A Case of Subsepsis Allergica--Especially on the Relationship between Still's Disease and Subsepsis Allergica
仲 弥
1
,
西川 武二
1
Wataru NAKA
1
,
Takeji NISHIKAWA
1
1慶應義塾大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Keio University School of Medicine
pp.1107-1111
発行日 1988年12月1日
Published Date 1988/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412204006
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49歳男性のsubsepsis allergicaの1例を報告した.臨床的には間歇性の弛張熱に加えて,発熱とともに全身に出没する一過性の粟粒大から爪甲大の蕁麻疹様淡紅色紅斑および一過性の関節痛を認めた.末梢血にて好中球が増加し,敗血症が疑われたが,血液培養にて病原菌は検出されず,感染病巣の存在を示唆する所見もなく,抗生剤は無効であった.副腎皮質ステロイド剤内服にて症状,検査所見とも著明に軽快した.本症とStill病の異同については従来より議論が多い.両疾患の病状はかなり一致しており,本質的には両者は同一の疾患と考えられるが,若干の概念的な相違もある.本症の病因が解明されていない現在,より膠原病的色彩の強いStill病の名称に統一するのは早計と思われ,関節症状が軽微であった自験例においては"subsepsis allergica"を用いた.
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