Japanese
English
原著
前腕に生じた単発型皮膚グロムス腫瘍の1例
Solitary Glomus Tumor on the Forearm
佐藤 貴浩
1
,
勝俣 道夫
1
,
柳澤 啓子
2
Takahiro SATOH
1
,
Michio KATSUMATA
1
,
Keiko YANAGISAWA
2
1東京医科歯科大学医学部皮膚科学教室
2飯田橋医院皮膚科
1Department of Dermatology, School of Medicine. Tokyo Medical and Dental University
2Division of Dermatology, Iidabashi Clinic
pp.1037-1041
発行日 1988年11月1日
Published Date 1988/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203995
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30歳,男性の右前腕に生じた単発型皮膚グロムス腫瘍の1例を報告した.組織学的には真皮中層に1層の内皮細胞で囲まれた大小の血管腔と,その周囲に円形の核と好酸性の胞体をもついわゆるグロムス細胞が増殖していた.グロムス細胞は,エラスティカ・ワンギーソン染色で黄染,アザン・マロリー染色で赤染,ビメンチン陽性,デスミン陰性であった.また,間質と一部の細胞巣内に弾性線維,管腔周囲と個々のグロムス細胞を取り囲むように網状に嗜銀線維を認めた.第Ⅷ因子関連抗原は血管腔に沿って陽性,S100蛋白は間質の神経線維に陽性を呈した.電顕的にグロムス細胞は平滑筋細胞に類似し,間質には種々の量の膠原線維,不定形物質,マスト細胞,さらに多くの有髄神経がみられ,また無髄神経も散見された.
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