Japanese
English
原著
汎発性脱毛症と胸腺腫を合併し種々の自己抗体を認めた尋常性天疱瘡の1例
A Case of Pemphigus Vulgaris with Alopecia Universalis, Thymoma and Several Kinds of Autoantibodies
片桐 一元
1
,
松永 悦治
1
,
板見 智
1
,
新海 法
1
,
高安 進
1
,
瀬口 俊一郎
Kazumoto KATAGIRI
1
,
Etsuji MATSUNAGA
1
,
Satoshi ITAMI
1
,
Hiroshi SHINKAI
1
,
Susumu TAKAYASU
1
,
Shunichiro SEGUCHI
1大分医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Medical College of Oita
pp.243-247
発行日 1988年3月1日
Published Date 1988/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203855
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
55歳,女性.尋常性天疱瘡に汎発性脱毛症と胸腺腫を合併し,抗サイログロブリン抗体,抗マイクロゾーム抗体,抗骨格筋抗体,抗アセチルコリンレセプター抗体,抗核抗体陽性を示した1例を報告した.胸腺腫は尋常性天疱瘡発症の3年前の胸部単純X線写真ですでに認められ,汎発性脱毛症は天疱瘡の3カ月前に発症していた.胸腺腫を摘出したが皮疹は改善せず,プレドニン,シオゾールを併用し略治した.尋常性天疱瘡に胸腺腫を合併した報告は多数認められるが,本例では加えて,自己免疫疾患の一つと想定される汎発性脱毛症を合併し,種々の自己抗体が陽性であり,胸腺腫に基づく自己免疫疾患の複合が考えられた.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.