Japanese
English
原著
足底に生じた悪性黒色腫の典型例および疑診例—スタンプ螢光法と病巣中5-S-cysteinyldopa測定による確定診断
Typical and Suspected Cases of Nodular Melanoma Arising on Sole of Foot: A Definite Diagnosis with Touch-fluorescence Method and 5-S-cysteinyldopa Values in Lesions
兼松 秀一
1
,
森嶋 隆文
1
,
花輪 滋
1
,
鮫島 俊朗
1
,
柴田 明彦
1
Shuichi KANEMATSU
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Shigeru HANAWA
1
,
Toshiaki SAMESHIMA
1
,
Akihiko SHIBATA
1
1日本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.45-48
発行日 1988年1月1日
Published Date 1988/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203817
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臨床的に足底の結節型悪性黒色腫が疑われた67歳,女性例(症例1)と37歳,男性例(症例2)の確定診断のために,スタンプ螢光法と病巣中5-S-CD値測定が行われた.症例1では病巣表面からのスタンプ螢光法で,多数の螢光性黒色腫細胞がみられ,術中の病巣割面からのスタンプ螢光法でも同様細胞が確認され,病巣中5-S-CD値も高値であり,悪性黒色腫と診断しえた.症例2では病巣表面から,また病巣割面からのスタンプ螢光法で,螢光性腫瘍細胞はみられず,病巣中5-S-CDも検出不能で,黒色腫は否定的であった.病理組織学的所見は出血を伴った毛細血管拡張性肉芽腫であった.以上,病巣表面からのスタンプ螢光法は黒色腫の術前診断法として,病巣割面からのスタンプ螢光法および病巣中5-S-CD値の測定は術中診断法として有用であることを再確認した.
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