Japanese
English
原著
原発巣が完全自然消褪した悪性黒色腫の小児例
Complete Spontaneous Regression of Primary Malignant Melanoma in a Child
柴田 明彦
1
,
森嶋 隆文
1
,
花輪 滋
1
,
長島 典安
1
,
深田 栄俊
1
,
兼松 秀一
1
,
鮫島 俊朗
1
,
鈴木 秀明
1
Akihiko SHIBATA
1
,
Takafumi MORISHIMA
1
,
Shigeru HANAWA
1
,
Noriyasu NAGASHIMA
1
,
Eishun FUKADA
1
,
Shuichi KANEMATSU
1
,
Toshiaki SAMESHIMA
1
,
Hideaki SUZUKI
1
1日本大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Nihon University School of Medicine
pp.1103-1107
発行日 1987年12月1日
Published Date 1987/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203807
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原発巣が完全消褪した悪性黒色腫の13歳,女子例を報告した.初診1カ月前,左大腿上内側部の有痛性腫瘤に気付き,初診前日他医で切開術を受け,黒色腫瘤であったため当科を紹介された.切開創部からの滲出液中5—S-CD値は高値で,大腿部腫瘤は黒色腫の転移巣であることが示唆された.唯一原発巣と思われた左膝の黒色色素斑にメラニン産生細胞はなく,メラノフェージをみるのみであった.左大腿腫瘤は,螢光法的にも,病理組織学的にも黒色腫のリンパ節転移であった.術後低値を示していた尿中5—S-CD値は,術後5カ月頃から異常値となり,広汎な転移が予測され,放射線学的にこれを確認し,初診10カ月後死亡した.
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