Japanese
English
原著
尋常性疣贅からTricholemmal Keratosisへの移行を思わせた1例
A Case with Transitional Features from Common Wart to Tricholemmal Keratosis
木村 俊次
1
,
繁益 弘志
1
Shunji KIMURA
1
,
Hiroshi HAN-YAYU
1
1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital
pp.867-871
発行日 1987年10月1日
Published Date 1987/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203764
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
20歳,男子の後頭部に単発した乳頭腫の1例を報告した.組織学的に並列U字型およびV字型の上皮増殖を示し,顆粒層付近の核周囲の空胞化やケラトヒアリン顆粒の粗大化など尋常性疣贅に一致する部分から,ケラトヒアリン顆粒が欠如し,trichilemmalkeratinizationと区別できない角化様式を示す部分まで,種々の段階の組織所見を示した.PAP法では尋常性疣贅に一致する組織所見を示した部分にのみ,少数散在性に上皮核に一致する乳頭腫ウイルス抗原を認めた.以上の所見から本例は,尋常性疣贅からtricholemmal keratosisへの移行を示した症例と考えられ,同時に,tricholemmal kera—tosisが尋常性疣贅に由来しうることを支持する一つの好例と考えられた.
Copyright © 1987, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.