Japanese
English
原著
悪性リンパ腫に合併したReactive Elastofibromatosis
Reactive Elastofibromatosis Associated with Malignant Lymphoma
二瓶 義道
1
,
石川 英一
1
Yoshimichi NIHEI
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
pp.817-823
発行日 1987年9月1日
Published Date 1987/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203755
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64歳,女.8年来,躯幹,四肢に浸潤性紅斑が多発し,出没を繰り返していた.初診時,さらにリンパ節腫大,白血球増多があり,最終的に生検リンパ節,末梢血液の所見からT細胞性悪性リンパ腫と診断した.また悪性リンパ腫とは別に,手背,膝蓋下部,足背などに胡桃大までの皮下結節の多発を認めた.皮下結節は4年前から発生するようになったという.組織学的に皮下に限局性に膠原線維の増加があり,その中に弾性線維染色陽性物質の分岐,肥厚,顆粒状沈着を認めた.電顕学的に同物質に相当するものは,正常の弾性線維を核として,その周囲に厚く細線維と細顆粒よりなる無定型物質が沈着していた.これらの変化は従来,elastofibromaで観察されている組織像と類似していた.なお,皮下結節は悪性リンパ腫に対する化学療法の結果,その紅斑の軽快とともに縮小した.
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