Japanese
English
原著
尋常性乾癬と白斑の合併例
A Case of Psoriasis Vulgaris Associated with Vitiligo
山田 裕道
1
,
西川 千香子
1
,
神野 公孝
1
,
種田 明生
1
,
小川 秀興
1
Hiromichi YAMADA
1
,
Chikako NISHIKAWA
1
,
Kimitaka KANNO
1
,
Akio TANEDA
1
,
Hideoki OGAWA
1
1順天堂大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Juntendo University School of Medicine
pp.305-308
発行日 1987年4月1日
Published Date 1987/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203638
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24歳で尋常性乾癬に罹患,34歳で白斑の合併をみた73歳女性の症例を報告する.白斑は乾癬皮疹部の辺縁より始まり外方へと拡大し,さらに乾癬と無関係の部位にも生じた.病理組織学的には白斑皮疹部のみならず,乾癬皮疹部においてもメラニン染色陰性,DOPA反応陰性であった.検査所見としてはIgG,IgA高値,抗甲状腺抗体が認められた,治療はステロイド外用とPUVA療法の併用にて乾癬は著明に軽快,白斑部には色素沈着をみている.乾癬,白斑ともにその病像形成に免疫学的機序が考えられており,本症例の如く自己免疫性疾患の素因のある個体に両疾患が合併したことは興味深い,乾癬と白斑の合併例は欧米では若干の報告があるが,本邦では非常に稀有と思われ,症例の検討に加え,乾癬,白斑両疾患の因果関係を中心に若干の考察を行い,両者の関連性を示唆する所見を得た.
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