Japanese
English
原著
成人T細胞性白血病に合併した汎発性白癬の1例—ATLに合併した白癬の治療抵抗性に関する推論
A Case of Adult T-cell Leukemia Associated with Persistent Widespread Ringworm
八木 英一
1
,
高橋 伸也
1
Eiichi YAGI
1
,
Shin-ya TAKAHASHI
1
1秋田大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Akita University School of Medicine
pp.53-60
発行日 1987年1月1日
Published Date 1987/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203593
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48歳男性の成人T細胞性白血病(ATL)に合併したT. rubrumによる汎発性白癬を報告した.白癬病変は何れも中心治癒所見を欠き,丘疹,小水疱形成に乏しい落屑性局面を呈し,外用抗真菌剤およびグリセオフルビン内服治療に抵抗して治癒せしめえなかった.細胞性免疫の低下が認められた.白癬病変の光顕的,電顕的検索において,真皮および一部表皮内にATL細胞の浸潤を認め,角質層内寄生菌は外用抗真菌剤に対してほぼ正常に反応しているのが確認された.なお,ATLに合併してみられる汎発性白癬の治療抵抗性に関して推論を述べた.
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