Japanese
English
原著
慢性侵蝕性膿瘍性膿皮症(加藤)を主病像とした全身広汎性慢性膿皮症の1例
A Case of Generalized Pyoderma Chronicum Predominantly with Clinical Features of Pyodermia Chronica Abscedens et Suffoidens (KATO)
西嶋 攝子
1
,
黒川 一郎
1
,
和泉 宏
1
,
菱川 秀夫
1
,
朝田 康夫
1
,
佐々木 富美子
2
Setsuko NISHIJIMA
1
,
Ichiro KUROKAWA
1
,
Hiroshi IZUMI
1
,
Hideo HISHIKAWA
1
,
Yasuo ASADA
1
,
Fumiko SASAKI
2
1関西医科大学皮膚科教室
2関西医科大学香里病院皮膚科
1Department of Dermatology, Kansai Medical University
2Division of Dermatology, Kansai Medical University Kori Hospital
pp.705-709
発行日 1985年8月1日
Published Date 1985/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203304
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要約 臀部における慢性侵蝕性膿瘍性膿皮症(加藤)を主症状とし,項部,頸部に軽症ではあるが膿瘍性穿掘性頭部毛包周囲炎,項部乳頭状皮膚炎を,胸背部には集簇性痤瘡を,また四肢,躯幹に大小多数の上皮性嚢腫を生じた37歳,男性例を報告した,種々の検索を行ったが明らかな免疫学的異常,内分泌因子の異常は特に認められなかった.生体側の因子として上皮性嚢腫,面皰形成などにおける先天性の奇形も一因ではないかと考えられた.局所からは再三にわたりSt. aureusが分離され,嫌気培養ではPeptococcus,Bacteroidesが検出された.真菌,結核菌培養は常に陰性であった.分離された細菌が直接の原因か否かに関しては決定することが難しいが,皮疹増悪の一因にはなり得ることは当然推定し得た.治療は抗生物質の内服,点滴,局所洗浄を主として行い,aromatic retinoid(etretinate Ro 10-9359)内服,ステロイド内服,局所の瘻孔切開,開放,切除術を適時行い皮疹のかなりの改善をみた.
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