Japanese
English
原著
特異な組織所見を呈した脂腺母斑の2例
Two Cases of Naevus Sebaceus with the Peculiar Histological Finding
城戸 邦彦
1
,
岩井 雅彦
1
Kunihiko KIDO
1
,
Masahiko IWAI
1
1昭和大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Showa University School of Medicine
pp.973-979
発行日 1984年10月1日
Published Date 1984/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203138
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症例1:53歳,女性.左側頭部の脂腺母斑の局面内に,約25年前から,二次性腫瘍が発生.病理組織学的検査の結果,径5mmの疣状結節はpilar tumor of the scalp,2個の黄色結節と2個の皮内結節はpilar cystであり,いずれも本症の二次性腫瘍としては極めて稀な種類であった.
症例2:20歳,男性.前頭部の疣状,淡黄色局面において,典型的organoid nevusの組織所見とともに,病巣内の一部のアポクリン腺の腺腔内に充実性ないし泡沫状の細胞質を持つ細胞集団が認められた.この所見は乳腺症のアポクリン上皮化生でみられる所見に類似しており,発生学的に近縁関係にあるアポクリン腺と乳腺において,このような類似の所見がみられる点,興味深く思われた.
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