Japanese
English
原著
点状集簇性母斑上に生じた血管線維腫性変化
An Angiofibromatous Proliferation Occurring on a Follicle-centric Nevocellular Nevus
木村 俊次
1
Shunji KIMURA
1
1国家公務員共済組合連合会立川病院皮膚科
1Division of Dermatology, Kyosai Tachikawa Hospital
pp.895-899
発行日 1984年9月1日
Published Date 1984/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203123
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右膝上方に生来存在した点状集簇性母斑の中央部に血管線維腫性変化を生じた12歳男児例を報告した.血管線維腫性変化は臨床的に直径4mm,淡紅色扁平隆起性の小結節をなし,組織学的に表皮突起の不規則な延長,真皮上・中層の膠原線維増生,小血管の増生と拡張,星形および2核の結合織細胞などを示し,その下方には母斑細胞巣が残存していた.メラニン色素は表皮・真皮とも周囲の母斑部に比べて著減を示した.周囲の母斑巣は臨床的に毛孔一致性黒色調小丘疹,組織学的にも毛嚢中心性の複合母斑を示した.自験例にみられた血管線維種性変化が臨床的・組織学的にfibrous papule of the nose (FPN)にきわめて類似することから,FPNが顔面以外にも発生しうること,およびFPNの少なくとも一部は母斑細胞母斑に由来することが示唆された.
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