Japanese
English
原著
抗SS-A抗体を示したANA-negative SLE(Subacute Cutaneous LE)の1例
A Case of ANA-negative SLE (Subacute Cutaneous LE)
河内山 明
1
,
植木 宏明
1
Akira KOHCHIYAMA
1
,
Hiroaki UEKI
1
1川崎医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kawasaki Medical School
pp.303-306
発行日 1984年4月1日
Published Date 1984/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203016
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要約 71歳,男,日光露出部に鱗屑,浸潤を伴う瘙痒性紅斑,丘疹,色素沈着及び脱失斑,頭部の脱毛を認めた.病理組織像及び螢光抗体直接法でSLEの典型的所見を呈するも,抗核抗体は持続して陰性で抗SS-A抗体が64倍を示し全身症状を認めなかった.皮疹は中等量のステロイド内服にて瘢痕を残さず軽快した,自験例はLEの1つのsubsetとしてDLEとSLEの中間に位置づけられるsubacute cutaneous LEあるいはANA-negative SLEと考えられた.
著明な日光皮膚炎様皮疹を呈し,病理学的所見や診断基準からSLEが疑われるも抗核抗体陰性の場合,又,診断基準を満足しない軽症及び小項目SLEの疑われる場合には,抗SS-A,SS-B抗体の検索が必要と思われる.又,治療及び予後の面からも,この様な中間型の把握が大切であろう.
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