Japanese
English
原著
爪床部に生じたEpidermal Cystの1例—爪床部表皮とのSH基,S-S結合の動態の比較について
A Case of Subungual Epidermal Cyst:Comparison with Subungual Epidermis as to the Localization of the Sulfide and Disulfide Bonds
高橋 喜嗣
1
,
手塚 正
1
Yoshitsugu TAKAHASHI
1
,
Tadashi TEZUKA
1
1近畿大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kinki University School of Medicine
pp.29-33
発行日 1984年1月1日
Published Date 1984/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202968
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35歳の男性,左示指爪甲下に生じた大豆大の腫瘤.病巣部のX線検査により,左指末節骨の背面,中央部に骨侵蝕像がみられる.その臨床像のみでは初診時診断が困難であったが,手術時所見組織学的所見から,爪甲下に生じたepidermal cystである.組織学的にはcpidermal cystである事は明白であるが,しかし,顆粒層の存在する部位と欠如する部位とが混在する.DACM染色のパターンを通常の表皮嚢腫,正常爪床部表皮(爪中央部),毛包のtrichilemmal角化部と比較したところ,通常の表皮嚢腫に最もよく類似している.治療は爪甲部を剥離し,腫瘤摘出術を実施した.
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