Japanese
English
原著
高ガンマグロブリン血症性紫斑—限局性強皮症,尋常性乾癬を伴った症例
A Case of Hypergammaglobulinemic Purpura with Morphea and Psoriasis Vulgaris
斉藤 隆三
1
,
亀山 孝一郎
1
,
加藤 一郎
1
Ryuzo SAITO
1
,
Koichiro KAMEYAMA
1
,
Ichiro KATO
1
1北里大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Kitasato University School of Medicine
pp.995-999
発行日 1983年11月1日
Published Date 1983/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202940
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40歳,男の両下腿に2年前より点状紫斑が出没する.運動負荷をかけると軽い痛みのような不快感が下腿に生じ紫斑をみるが,約1週間で消褪する.別に背部に10年来,萎縮局面があり病理組織所見により限局性強皮症と診断.また,3年前より乾癬病変がある.肝障害に基づく高ガンマグロブリン血症性紫斑と考えられ,強皮症,乾癬は紫斑と直接の関連性はないものと思われた.検査所見で,高ガンマグロブリン血症,RAテスト(+),RAHA 2,560倍,抗核抗体陽性などの所見があり,螢光抗体直接法ではIgMとフィブリノーゲンが血管壁に認められた.血中免疫複合体は陰性であった.これらの所見は何らかの自己免疫的性格を有し,それによる蛋白異常を来したものと思われる.過去10年間に経験した本疾患6例を集計し,免疫学的所見などについて文献的に考察した.
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