Japanese
English
原著
鱗状毛嚢性角化症ならびにその鱗屑の生化学的分析
Keratosis Follicularis Squamosa and Biochemical Analysis of Scales
吉池 高志
1
Takashi YOSHIIKE
1
1順天堂大学医学部皮膚科教室
1Dapertment of Dermatology, School of Medicine, Juntendo University
pp.551-555
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202647
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鱗状毛嚢性角化症の2例(32歳,女子.46歳,女子.)を報告した.2例とも,腹部,殿部,下肢に中心性毛孔性色素沈着を伴う鱗屑を徐々に多発してきた.1例では出産を発症の契機とした.病理組織学的には毛嚢拡大と毛嚢開口部を中心とした角質増殖および毛嚢におけるメラニン色素の軽度増加をみとめた.鱗屑より得たケラチン線維分画では電気泳動において,症例2で異常パターンを示したもののアミノ酸組成は正常であった.可溶性分画の電気泳動では分子量約10,000のパンドの欠損ないし低形成をみた.膜および膜間物質分画のアミノ酸組成ではセリン,グリシン残基の著明な増加とアスパラギン,グルタミソ,プロリン,ロイシソ,リジン,ヒスチジン残基の減少をみた.
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