Japanese
English
原著
ゴルフボール液芯の噴出によるバリウム肉芽腫の1例
A Case of Barium Granuloma due to the Jetted Content of a Golf Ball
石井 芳満
1
,
武富 功雄
1
,
井上 勝平
1
Yoshimitsu ISHII
1
,
Isao TAKETOMI
1
,
Shohei INOUE
1
1宮崎医科大学皮膚科教室
1Department of Dermatology, Miyazaki Medical College
pp.841-845
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202496
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ゴルフボール液芯の噴出により顔面に受傷し,その後にバリウム肉芽腫bariumgranulomaを生じた15歳男子を報告した.組織学的に主として大単核球,多核巨細胞より成る成熟肉芽腫mature granulomaの像を呈した.巨細胞内外に大小不同の砂状ないし結晶様異物が多数認められ,結晶様異物は重屈折性偏光を示した.X線回析および電子顕微鏡所見から,これら組織内異物を硫酸バリウムと同定し,ゴルフボール液芯中に含まれる硫酸バリウムにより生じたバリウム肉芽腫と診断した.ゴルフボールの中心には飛行距離を延ばす目的で高圧の液芯があり,不用意に切り裂いたりすると噴出し失明,外傷の危険性が警告されているが,さらに肉芽腫形成があることを指摘した.
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