Japanese
English
原著
小児ストロフルスの統計的研究
Statistical Study of Papular Urticaria
中島 静香
1
,
水津 礼子
1
,
肥田野 信
1
Shizuka NAKAJIMA
1
,
Reiko SUIZU
1
,
Akira HIDANO
1
1東京女子医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Tokyo Women's Medical College
pp.775-779
発行日 1980年8月1日
Published Date 1980/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202284
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ストロフルスは近年減少の傾向にあると考えられているが,その実態に関して全国の開業医の病院,大学勤務医を対象にしてアンケート調査を行い,外来における頻度,増減の有無,減少の理由等に関する興味ある回答を得た.また文献的にアトピー性皮膚炎や虫刺症との比較,及び鶏卵,チョコレート,殺虫剤等の生産高との比較検討も行い,ストロフルスの原因解明への資料としたい.結果は次のごとくである.
1)小児ストロフルスの頻度は本邦では著しく減少しており一般皮膚科外来では0.5%以下とみなされる.
2)地域差は日本国内ではほとんど差はなく,頻度の差はむしろ診断する側の要因によるところが大である.
3)皮膚科医と小児科医とで診断の率にさほど差はないが,大学と病院を併せた小児科でいくぶん高い傾向を示した.
4)過去70年間の経過を追うと,昭和40年以降の急激な減少がみられる.
5)小児に縁の深い食品(牛乳,鶏卵,チョコレート)等の生産並びに消費率とは逆の関係にあった.殺虫剤の増加に伴い減少するのは虫刺症との関係を示唆する要因になるかもしれない.
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