Japanese
English
原著
Duhring疱疹状皮膚炎様症状を呈した天疱瘡
A Case of Pemphigus Resembling Dermatitis Herpetiformis Duhring
小林 仁
1
,
深谷 徹
1
,
飯塚 一
1
,
金子 史男
1
Hitoshi KOBAYASHI
1
,
Toru FLIKAYA
1
,
Hajime IIZUKA
1
,
Fumio KANEKO
1
1北海道大学医学部皮膚科教室
1Department of Ihrmatology, Hokkaido University School of Medicine
pp.399-405
発行日 1980年5月1日
Published Date 1980/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202224
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要約 47歳,男.ほぼ全身に激しい瘙痒を伴う,輪状あるいは環状の紅斑と小水疱を生じた.治療ではsulfone剤に反応し,臨床的にDuhring疱疹状皮膚炎(DH)を考えさせた.しかし,組織学的には表皮内水疱であり,棘融解像はないがeosinophilic spongiosis(ES)を示した.免疫組織学的には螢光抗体直接法でIgG,補体C3が表皮細胞間に沈着し,間接法でも表皮細胞間抗体(IC-Ab)の存在がみられた,電顕所見では表皮細胞間の強い浮腫と一部にintercellular dense layerの消失像を認めた.これらのことから天疱瘡(Pm)の1型と考えられた.また,ESの出現機序については表皮のspongiosis,水疱内と真皮上層部に肥胖細胞あるいは好塩球による脱顆粒現象が観察されたことから,eosino—phili chemotactic factor or anaphylaxis(ECF-A)による反応であることが推定された.
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