Japanese
English
原著
日光過敏性を伴う皮膚粘膜ヒアリノージスの1例
Hyalinosis Cutis et Mucosae associated with Photosensitivity
佐藤 寿之
,
石橋 明
1,2
,
谷川 久彦
2,3
Toshiyuki SATO
,
Akira ISHIBASHI
1,2
,
Hisahiko TANIKAWA
2,3
1防衛医科大学校皮膚科教室
2前杏林大学医学部皮膚科教室
3国立大蔵病院皮膚科
1Department of Dermatology, National Defense Medical College
2Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
3Division of Dermatology, National Okura Hospital
pp.575-585
発行日 1979年7月1日
Published Date 1979/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202082
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日光過敏性を伴いβ-カロチンが著効を示したがポルフィリン体は検出されなかった22歳男子例を報告した.幼時には特徴的な眼瞼縁の数珠状丘疹がなく,外傷後の肥大瘢痕を思わせる皮疹が主であって,先天性表皮水疱症と診断されたこともある.
生検組織の脂肪染色,嗜銀染色,電顕所見から,本症は線維芽細胞全般の異常ではなく,平滑筋細胞およびそれに近縁の細胞(周波細胞,汗腺筋上皮細胞,一部の線維芽細胞(myofi—broblast?)),血管内皮細胞,神経周膜細胞,シュワン細胞など,基底膜をめぐらす一連の細胞の代謝異常により,基底膜物質(ⅢないしⅣ型コラーゲンを含む糖蛋白?)が蓄積して正常膠原線維に浸潤し漸次置換されてゆく現象が本症のヒアリン化で,そのための環境条件の異常ないし通過障害によって2次的に石灰の析出,脂質の沈着を来たす一種の遺伝性結合織代謝異常症と考えられる.
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