Japanese
English
原著
Herpetiform Pemphigusの1例
A Case of Herpetiform Pemphigus
笹岡 和夫
1
,
阿南 貞雄
2
,
穐山 富雄
2
,
山浦 英明
2
,
高橋 勇
2
,
江上 和也
2
Kazuo SASAOKA
1
,
Sadao ANAN
2
,
Tomio AKIYAMA
2
,
Hideaki YAMAURA
2
,
Isamu TAKAHASHI
2
,
Kazuya EGAMI
2
1長崎市立市民病院皮膚科
2長崎大学医学部皮膚科学教室
1Division of Dermatology, Nagasaki City Hospital
2Department of Dermatology, Nagasaki University School of Medicine
pp.33-38
発行日 1979年1月1日
Published Date 1979/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412202003
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56歳,男.全身各所に浮腫性小紅斑を散生し,次第に多発,融合して,浮腫性紅斑局面上に大小の水疱,糜爛とジューリング疱疹状皮膚炎様の環状配列を示す小水疱を混在し,激痒あり.軽度の発熱あるも粘膜疹はみられず,ニコルスキー現象は陰性.白血球数,8,900,好酸球12%,ヨードカリ(30%)テスト陽性,Tzanck test陽性.
水疱はsuprabasalに形成されたacantholysisを伴った表皮内水疱で,水疱辺縁にはeosi—nophilic spongiosisがみられた.螢光抗体直接法で,表皮細胞間とacantholytic cellの細胞膜にIgGの沈着をみとめ,間接法では,初期未治療時血清のみ抗表皮細胞間物質抗体弱陽性(10倍)を示した.ステロイド剤とイムランの併用にて,約3ヵ月で治癒し,以後再発をみない.
自験例は臨床的にジューリング疱疹状皮膚炎を思わせるが,本態はむしろ天疱瘡と考えられた.しかし,本例が天疱瘡の単なる非定型例か新しい特異型かは,まだ不明である.
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