原著
Apocrine Cystadenoma
武岡 和仁
1
,
中条 知孝
1
,
石橋 明
1
,
田中 信
1
Kazuhito TAKEOKA
1
,
Tomotaka CHUJOH
1
,
Akira ISHIBASHI
1
,
Makoto TANAKA
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyorin University School of Medicine
pp.959-962
発行日 1978年11月1日
Published Date 1978/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201981
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32歳,女性.数年前より右耳前部に嚢腫様腫瘤発生.皮表よりわずかに隆起し,淡青色を呈し,自覚症状はない.組織学的にほぼ典型的であったが,腺腔様構造が一部表皮に接し毛嚢への開口を思わせる所見を得た.
分泌上皮細胞中にはジアスターゼ抵抗性PAS陽性物質がみられたほか,ことにその先端部にはヒアルロニダーゼ抵抗性コロイド鉄陽性物質もみられた.これはニウラミニダーゼでほぼ消化されたのでシアロムチンと考えられた.なお,一部の分泌上皮細胞には黄褐色円形の色素顆粒を含むが,これはシュモール染色で暗青色を呈し,リポフスチンと推定された.
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