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薬剤
デルポPDテープによる皮膚疾患の治療成績について
CLINICAL EFFECTS OF DERPO PD TAPE ON DERMATOSES
笹川 正二
1
,
中内 洋一
2
,
小幡 宏子
2
,
牛嶋 津賀子
2
,
伊藤 裕喜
3
,
田辺 和子
3
,
木下 正子
4
,
増田 勉
5
,
本田 史朗
6
1東京慈恵会医科大学皮膚科
2東京都教職員互助会 三楽病院
3日本専売公社 東京病院
4医療法人財団 河北病院
5増田医院
6本田医院
pp.329-334
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201884
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各種皮膚疾患の治療にコルチコステロイド剤は,現在欠くことのできない薬剤であるが,いわゆる単純塗擦法は,角化,苔癬化を伴う慢性の病変に対しては薬剤の吸収が劣るため,充分な効果を期待することができなかつた.1960年,Garb1)が疣状母斑の治療にポドフィリン軟膏を用いた際,プラスチックフィルムで密封すると,薬物の吸収が促進しすぐれた効果が得られると報告した.またSulzbergerとWitten2)はコルチコステロイド外用剤にこの手法,即ち密封包帯療法(ODT療法)を用いて慢性皮膚炎の治療を行いすぐれた結果を得た.
今般テルモ株式会社で開発したデルポPDテープはODT療法の原理に立脚したもので,コルチコステロイドとしてプレドニゾロンを二液性のアクリル系粘着剤に含有させ,非通気性,半透明のプラスチックフィルムに塗布したものである.このデルポPDテープの治療効果の治験は,6施設よりなる研究班をつくり,オープンスタディーを行ない,その効果を調査した.6施設の病院名と班員の氏名は表1に示す如くである.そして昭和50年4月25日班員が集まつて打合会を開き,図1,図2の如き調査表をつくり,同じ判定基準に基づいて皮膚所見,副作用,効果を記入し,なお治験中止の理由,併用療法,再発,医師ならびに患者の本剤使用後の感想についても記入することを決めて,昭和50年5月上旬より治験を開始した.
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