Japanese
English
原著
水疱性類天疱瘡のステロイド療法に関する2,3の考察
THERAPEUTIC ASPECTS OF CORTICOSTEROID IN BULLOUS PEMPHIGOID
毛利 忍
1
,
中嶋 弘
1
Shinobu MOHRI
1
,
Hiroshi NAKAJIMA
1
1横浜市立大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Yokohama City University, School of Medicine
pp.121-125
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201696
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水疱性類天疱瘡をステロイドの1日最大投与量より検討すると,大量(プレドニゾロン換算80mg/日以上)を要する群と,それ程大量を要しない群があることを知つた.これを年齢,性,季節,病型などから検討すると,女性例のほとんどは前者の群で,男性例は後者の群であつた.年齢,病型も大切な因子と考えるが,性別が最も重要な因子と考えたい.ステロイドの使用にあたつては30mg/日以下で治療を開始した症例は増量を余儀なくされ,しかも1日最高投与量が高くなる傾向があつたことより,初回よりある程度の最を投与するのがよいと思われた.その量は女性では60〜80mg/日,男性では40〜60mg/日を推薦したい.ただし男性の高齢者例には限局性水疱性類天疱瘡と同様,外用(主としてODT)のみで十分コントロールし得る症例があつた.ステロイドの内用に際しては,特に低蛋白血症を伴う例では重篤な結核を併発する危険があり,INAHの併用が望ましい.
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