Japanese
English
原著
足趾に生じた粘液嚢腫
MUCOUS CYST OF THE TOE
西林 聰武
1
,
田辺 義次
1
,
岡本 昭二
1
Akitake NISHIBAYASHI
1
,
Yoshitsugu TANABE
1
,
Shoji OKAMOTO
1
1千葉大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, School of Medicine, Chiba University
pp.105-108
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201693
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75歳男子の右第1趾に4年来生じていた粘液嚢腫の1例を報告した.連続切片標本による検索の結果,この嚢腫は仮性嚢腫であつて,周囲との連続は認められなかつた.嚢腫の基質はP. A. S. 染色で陰性,alcian blue染色で陽性,Haleコロイド鉄染色では陽性であつた.基質の陽性部位は細菌ヒアルロニダーゼで消化されているので,ヒアルロン酸が含まれていると推定した.文献から集めた症例に自験例を加えて臨床的事項を検討したのち,本症における嚢腫の発生機序について若干の文献的考察を加えた.嚢腫の発生機序については,関節滑液膜細胞に由来すると考える説と,真皮の線維芽細胞からヒアルロン酸が分泌されて嚢腫が発生すると考える説の2通りがあり,現在の段階では明確な結論に達していない.
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