Japanese
English
原著
皮膚原発滑平筋肉腫の1症例
A CASE OF LEIOMYOSARCOMA OF THE SKIN
神部 誠一
1
,
高宮 正
2
Seiichi KAMBE
1
,
Tadashi TAKAMIYA
2
1大阪鉄道病院中央検査室
2大阪鉄道病院皮膚科
1Central Laboratory, Osaka Railroad Hospital
2Department of Dermatology, Osaka Railroad Hospital
pp.285-288
発行日 1975年4月1日
Published Date 1975/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201416
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
32歳,女性の前膊伸側に発生した小腫瘤を摘除,その組織学的所見から滑平筋肉腫と診断した.最も特長的な所見はVan Giesonで黄染し,核の長軸が平行に並ぶ所謂pa—lisadingのパターンをとり,好銀線維をもたないなど,線維肉腫およびその類縁腫瘍を除外することができた.増殖の傾向は一般に膨脹性で,一部で深層の脂肪織へ侵襲の潜能性をうかがわせるところがあつた.筋腫であるか筋肉腫であるかの判断は困難を極めたが,核分裂像の豊富に存在すること,真皮層の膠原線維束の破壊,皮膚附属装置へのenchroachmentの観察されるところから筋肉腫と診断された.世界中の文献によれば従来報告されたこの種の皮膚原発滑平筋肉腫は遠隔転移を生ずることは少なく,比較的その予後は良いとされている.なお,その起原について血管壁筋層から発したものであるか立毛筋であるかの決定は容易ではないが,後者である可能性の方が大であると判断した.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.