原著
Macroglobulinemia Waldenstromに伴った環状紅斑
武 誠
1
,
小玉 肇
1
Makoto TAKE
1
,
Hazime KODAMA
1
1岡山大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Okayama University Medical School
pp.665-670
発行日 1974年10月1日
Published Date 1974/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201345
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症例は70歳男で4年前より顔面に浮腫をきたし,2年前より顔面に紅斑ができだした.1年前より体幹,四肢に環状の紅斑が多発し,出没しだした.個々の皮疹は始め隆起性小紅斑にはじまり,中心部治癒傾向をしめつつ拡大し大きな環状紅斑となり,全経過2週間程で消腿する.紅斑部組織像は表皮のspongioseと頁皮の血管拡張のみであつた.臨床検査でIgMの著明な単クローン性増加,骨髄中にlymphoplasmocytic cellの増加が認められたことよりMacroglobulinemia Waldenstrom (MW)と診断した.また皮疹は臨床症状,組織所見よりErythema annulare centrifugum Darierに近似のものと考えた.本邦69例のMWを文献的に考察したが自験例のような環状紅斑を伴つた報告はなかつた.(同部に螢光抗体直接法を行つたが,陰性であつた.また血中の抗基底膜抗体,細胞関抗体も陰性であつた.)
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