Japanese
English
原著
悪性顆粒筋芽細胞腫
MALIGNAT GRANULAR-CELL MYOBLASTOMA
草場 健二
1
,
上田 恵一
1
,
松木 正義
1
,
外松 茂太郎
1
Kenji KUSABA
1
,
Keiichi UYEDA
1
,
Masayoshi MATSUKI
1
,
Shigetaro SOTOMATSU
1
1京都府立医科大学皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Kyoto Prefectural University of Medicine
pp.603-609
発行日 1974年8月1日
Published Date 1974/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201339
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45歳,家婦.10年前に子宮筋腫の剔出術を受けた.そのから右大腿の伸側中央の皮下に小指頭大の結節があり,次第に腫大し,4年前に剔出術を受けた.術後7カ月ごろに同部に腫瘤を生じ,右鼠径部にも腫瘤を多発して来た.指圧療法により増大し,大腿部の腫瘤は7×7cm径となり,半球状に隆起し,出血が著しいために来院した.
腫瘤剔出後縫合線に沿つて腫瘤を多発し,鼠径部,回盲部にも多数の腫瘤がみられた.組織学的に,初診時では典型的な良性の顆粒筋芽細胞腫であつたが,再発時では核の異型性,多核細胞,分裂像などがみられた.
本腫瘍を組織化学的ならびに電顕的に検索すると共に,本邦報告33例につき統許的に観察した.特に自験例では臨床的にも転移がみられた.組織学的に良性型から悪性化した,いわゆる悪性顆粒筋芽細胞腫であつた.
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