Japanese
English
原著
Folliculitis decalvansと細胞性免疫—口腔カンジダ症を合併した兄弟例
FOLLICULITIS DECALVANS AND CELLULAR IMMUNITY:TWO BROTHERS WITH ORAL CANDIDIASIS
設楽 篤幸
1
,
五十嵐 良一
1
,
諸橋 正昭
1
Atsuyuki SHITARA
1
,
Ryoichi IGARASHI
1
,
Masaaki MOROHASHI
1
1新潟大学医学部皮膚科学教室
1Department of Dermatology, Niigata University School of Medicine
pp.133-140
発行日 1974年2月1日
Published Date 1974/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412201268
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被髪頭部にみられたFolliculitis decalvansの21歳と17歳の兄弟例を記述した.両親はいとこ同士である.2例とも口腔カンジダ症を有し,症例1(兄)ではカンジダ性睫毛性眼瞼縁炎を合併していた.Staphylococcus aureusが2例とも検出されたが,その菌に対する即時型アレルギー反応は認められなかつた.兄例ではツ反応,DNCBテストが陰性であり,PHA—細胞出現率はやや低下していた.弟例ではツ反応が陰性,DNCBテストは弱陽性であり,PHA—細胞出現率は正常であつた.またヒツジ赤血球に対するロゼット形成はそれぞれ12.4%,11.4%と低下していた.免疫グロブリンはIgGが2例とも高値を示したがIgA,IgMは正常であり,Influenza virusに対する抗体産生は2例とも正常に認められた.これらのことから体液性免疫は正常であるが細胞性免疫に何らかの低下(先天性?)が考えられ,それが発症の背景をなしているものと推測される.
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